データをもとに論理的に考える巨人ファンのブログ

コンサル修行の一環として、論理的に考えて書き起こします。

2025/07/09 【巨人 2-3 中日】井上の快投、またも報われず。拙攻と救援陣の乱調で逆転負け、課題は山積み

またしても、先発投手の好投を勝利に繋げられなかった。

福島での一戦、先発・井上が7回途中まで無失点と完璧な投球を見せるも、

打線が好機を逸し続け、最後は守護神マルティネスが勝ち越し弾を浴びて2-3で敗戦。

ソロ本塁打2本のみの得点では勝てない。

あまりにも課題の多い、悔いの残る敗戦であった。


【今日の試合サマリー(データBOX)】

a. 打者全体の打撃成績


・打率 .286(36-11)四死球5


b. 打者個人の打撃成績


| 選手名 | 打数 | 安打 | 四死球 |

| :--- | :--- | :--- | :--- |

| 丸 佳浩 | 4 | 0 | 1 |

| 中山 礼都 | 4 | 1 | 0 |

| 吉川 尚輝 | 4 | 1 | 1 |

| 坂本 勇人| 2 | 0 | 2 |

| 泉口 友汰 | 5 | 1 | 0 |

| キャベッジ | 3 | 1 | 0 |

| 荒巻 悠 | 3 | 3 | 1 |

| 甲斐 拓也 | 4 | 0 | 0 |

| 井上 温大 | 2 | 1 | 0 |

| 増田 陸 | 1 | 1 | 0 |

| 岸田 行倫 | 1 | 1 | 0 |

| リチャード | 1 | 1 | 0 |

| 佐々木 俊輔 | 1 | 0 | 0 |


c. 投手全体の投球成績

・投球回 9.0回

・投球数 112球

・被安打 6

・失点 3


d. 投手個人の投球成績


井上 温大(6.2回 67球 0失点)

 球種割合:
 ストレート:49.3% (平均 143.1km/h)
 スライダー:25.4% (平均 123.8km/h)
 フォーク:13.4% (平均 128.1km/h)
 カーブ:7.5% (平均 115.0km/h)
 ツーシーム:4.5% (平均 143.0km/h)


 コース割合(対右打者):
 高さ:高め(5.3%), 低め(55.3%), 真ん中(39.5%)
 内外:内角(39.5%), 外角(34.2%), 真ん中(26.3%)
 ストライクボール:ストライク(57.9%), ボール(42.1%)


 コース割合(対左打者):
 高さ:高め(6.9%), 低め(51.7%), 真ん中(41.4%)
 内外:内角(27.6%), 外角(41.4%), 真ん中(31.0%)
 ストライクボール:ストライク(55.2%), ボール(44.8%)


田中 瑛斗(0.1回 6球 0失点)

 球種割合:
 シュート:66.7% (平均 151.3km/h)
 スライダー:33.3% (平均 139.0km/h)


 コース割合(対右打者):
 高さ:高め(0.0%), 低め(33.3%), 真ん中(66.7%)
 内外:内角(66.7%), 外角(33.3%), 真ん中(0.0%)
 ストライクボール:ストライク(50.0%), ボール(50.0%)


 コース割合(対左打者):
 (対戦なし)


大勢(1.0回 19球 0失点)

 球種割合:
 ストレート:84.2% (平均 148.6km/h)
 フォーク:15.8% (平均 132.0km/h)


 コース割合(対右打者):
 高さ:高め(0.0%), 低め(40.0%), 真ん中(60.0%)
 内外:内角(40.0%), 外角(20.0%), 真ん中(40.0%)
 ストライクボール:ストライク(60.0%), ボール(40.0%)


 コース割合(対左打者):
 高さ:高め(0.0%), 低め(66.7%), 真ん中(33.3%)
 内外:内角(44.4%), 外角(55.6%), 真ん中(0.0%)
 ストライクボール:ストライク(22.2%), ボール(77.8%)


マルティネス(0.2回 17球 3失点)

 球種割合:
 スライダー:35.3% (平均 136.3km/h)
 ストレート:29.4% (平均 151.4km/h)
 スプリット:29.4% (平均 140.8km/h)
 チェンジアップ:5.9% (平均 135.0km/h)


 コース割合(対右打者):
 高さ:高め(18.2%), 低め(36.4%), 真ん中(45.5%)
 内外:内角(27.3%), 外角(27.3%), 真ん中(45.5%)
 ストライクボール:ストライク(63.6%), ボール(36.4%)


 コース割合(対左打者):
 高さ:高め(16.7%), 低め(50.0%), 真ん中(33.3%)
 内外:内角(33.3%), 外角(33.3%), 真ん中(33.3%)
 ストライクボール:ストライク(66.7%), ボール(33.3%)


船迫 大雅(0.1回 3球 0失点)

 球種割合:
 カットボール:66.7% (平均 136.5km/h)
 ストレート:33.3% (平均 142.0km/h)


 コース割合(対右打者):
 (対戦なし)


 コース割合(対左打者):
 高さ:高め(0.0%), 低め(33.3%), 真ん中(66.7%)
 内外:内角(33.3%), 外角(33.3%), 真ん中(33.3%)
 ストライクボール:ストライク(66.7%), ボール(33.3%)


e. 相手投手の投球成績


髙橋 宏斗(5.0回 101球 1失点)

 球種割合:
 ストレート:51.4% (平均 151.7km/h)
 スプリット:19.8% (平均 141.4km/h)
 カットボール:15.8% (平均 139.1km/h)
 カーブ:8.9% (平均 127.8km/h)
 ツーシーム:4.0% (平均 146.0km/h)


 コース割合(対右打者):
 高さ:高め(14.3%), 低め(47.6%), 真ん中(38.1%)
 内外:内角(40.5%), 外角(33.3%), 真ん中(26.2%)
 ストライクボール:ストライク(47.6%), ボール(52.4%)


 コース割合(対左打者):
 高さ:高め(12.1%), 低め(48.3%), 真ん中(39.7%)
 内外:内角(27.6%), 外角(46.6%), 真ん中(25.9%)
 ストライクボール:ストライク(41.4%), ボール(58.6%)


齋藤 綱記(1.0回 14球 0失点)

 球種割合:
 スライダー:71.4% (平均 123.9km/h)
 ストレート:21.4% (平均 136.7km/h)
 シュート:7.1% (平均 134.0km/h)


 コース割合(対右打者):
 高さ:高め(14.3%), 低め(71.4%), 真ん中(14.3%)
 内外:内角(57.1%), 外角(14.3%), 真ん中(28.6%)
 ストライクボール:ストライク(42.9%), ボール(57.1%)


 コース割合(対左打者):
 高さ:高め(28.6%), 低め(28.6%), 真ん中(42.9%)
 内外:内角(42.9%), 外角(42.9%), 真ん中(14.3%)
 ストライクボール:ストライク(42.9%), ボール(57.1%)


橋本 侑樹(1.0回 8球 0失点)

 球種割合:
 ストレート:50.0% (平均 143.8km/h)
 スライダー:25.0% (平均 129.5km/h)
 フォーク:25.0% (平均 133.0km/h)


 コース割合(対右打者):
 高さ:高め(0.0%), 低め(0.0%), 真ん中(100.0%)
 内外:内角(0.0%), 外角(66.7%), 真ん中(33.3%)
 ストライクボール:ストライク(66.7%), ボール(33.3%)


 コース割合(対左打者):
 高さ:高め(20.0%), 低め(40.0%), 真ん中(40.0%)
 内外:内角(20.0%), 外角(60.0%), 真ん中(20.0%)
 ストライクボール:ストライク(40.0%), ボール(60.0%)


祖父江 大輔(0.1回 15球 1失点)

 球種割合:
 フォーク:40.0% (平均 133.4km/h)
 ストレート:40.0% (平均 144.0km/h)
 スライダー:20.0% (平均 132.0km/h)


 コース割合(対右打者):
 高さ:高め(0.0%), 低め(60.0%), 真ん中(40.0%)
 内外:内角(60.0%), 外角(20.0%), 真ん中(20.0%)
 ストライクボール:ストライク(40.0%), ボール(60.0%)


 コース割合(対左打者):
 高さ:高め(0.0%), 低め(50.0%), 真ん中(50.0%)
 内外:内角(50.0%), 外角(50.0%), 真ん中(0.0%)
 ストライクボール:ストライク(40.0%), ボール(60.0%)


伊藤 茉央(0.2回 4球 0失点)

 球種割合:
 スライダー:50.0% (平均 127.5km/h)
 ストレート:50.0% (平均 146.0km/h)


 コース割合(対右打者):
 高さ:高め(0.0%), 低め(50.0%), 真ん中(50.0%)
 内外:内角(50.0%), 外角(0.0%), 真ん中(50.0%)
 ストライクボール:ストライク(75.0%), ボール(25.0%)


 コース割合(対左打者):
 (対戦なし)


清水 達也(1.0回 25球 0失点)

 球種割合:
 ストレート:52.0% (平均 146.9km/h)
 フォーク:36.0% (平均 135.8km/h)
 カーブ:4.0% (平均 120.0km/h)


 コース割合(対右打者):
 高さ:高め(0.0%), 低め(50.0%), 真ん中(50.0%)
 内外:内角(25.0%), 外角(37.5%), 真ん中(37.5%)
 ストライクボール:ストライク(37.5%), ボール(62.5%)


 コース割合(対左打者):
 高さ:高め(5.9%), 低め(47.1%), 真ん中(47.1%)
 内外:内角(41.2%), 外角(29.4%), 真ん中(29.4%)
 ストライクボール:ストライク(52.9%), ボール(47.1%)


【両先発の配球戦略分析】


▼巨人の投球分析

先発の井上は、雨が降る悪コンディションの中、

6.2回を67球、被安打3、無失点と圧巻の投球を披露した。

ストレートとスライダーを軸に、左右の打者ともに低めへボールを集める丁寧な投球が光る。

この快投を演じた投手を7回途中で降板させた継投には疑問が残るが、

パフォーマンス自体は賞賛に値する。


問題は8回以降だ。

大勢は1イニングを無失点に抑えたものの、四球を1つ出し、投球内容も盤石とは言えなかった。

そして9回、マルティネスは完全に試合を破壊した。

先頭のブライトを打ち取った後、岡林、辻本に連打を浴び、

最後は細川にど真ん中へのスプリットをスタンドまで運ばれた。

前回の登板から明らかに状態が悪く、制球、球威ともに本来の姿ではなかった。

これを投入したベンチの判断、そして結果に応えられない本人の調整不足、

双方に大きな責任がある。


▼中日の投球分析

中日の先発・髙橋は、150km/h超のストレートを軸に巨人打線を5回1失点に抑えた。

巨人打線は荒巻の本塁打以外、効果的な攻撃を見せることができなかった。

特に髙橋の投球で注目すべきは、対左打者への攻め方だ。

外角(46.6%)を中心に組み立てつつ、要所で内角(27.6%)を突くことで的を絞らせなかった。


8回に登板した
祖父江
からは泉口が本塁打を放ち同点に追いついたが、これもソロ本塁打。打線として相手リリーフを攻略したとは言い難い。


【流れの分岐点について】

この試合、敗因は9回のマルティネスの被弾に集約されるが、

そこに至るまでの課題はあまりに多い。


好機を逸し続けた拙攻:

今日の得点は荒巻と泉口のソロ本塁打のみ。

この事実は、打線が機能していないことを明確に示している。

初回2死一、二塁で泉口が凡退。4回2死一、二塁で甲斐が併殺打。5回2死満塁で泉口が凡退。7回2死三塁で吉川が凡退。そして9回、2死満塁でまたしても泉口が凡退。

これだけ好機を潰せば、勝てる試合も勝てない。

特に泉口は、本塁打はあったものの、3度の得点圏での凡退はあまりに印象が悪い。

チーム全体で、好機で1点を取るという意識が欠如している。


際立った個の力:

暗い話題ばかりではない。

先発の井上の快投は、今後に大きな期待を抱かせるものだった。


また、4回の中山が見せた二塁打を単打にする好守と、

その後の坂本、泉口の堅守は、試合を引き締める素晴らしいプレーであった。


そして、最大の収穫は荒巻だろう。

3打数3安打1本塁打1四球と完璧な内容で、そのポテンシャルの高さを見せつけた。

彼のような若手の台頭は、沈滞するチームにとって数少ない光明である。


繰り返される救援陣の誤算:

大勢の不安定さ、そしてマルティネスの炎上。

勝ちパターンの投手が揃って機能しない現状は、チームにとって致命的だ。


特にマルティネスは、前回の登板から明らかに影響が残っているように見えた。

投手個人の責任だけでなく、その状態を見極め、

適切な管理ができなかった首脳陣の責任も重い。


【次戦への展望】

今日の敗戦は、チームが抱える課題を凝縮したような試合であった。


第一に、得点力不足の解消

ソロ本塁打頼みの攻撃では、安定して勝利を掴むことはできない。

犠牲フライや進塁打、好機での粘り打ちといった、

チーム一丸で1点を取りに行く野球を再徹底する必要がある。


第二に、ブルペンの再編成

現状の勝ちパターンは、もはや機能不全に陥っている。

大勢、マルティネスの状態を再度見極め、場合によっては大幅な配置転換も必要だろう。

信頼できるリリーフが確立されなければ、

何度先発投手が好投しても、同じ過ちを繰り返すだけである。


井上と荒巻という明るい材料がありながら、それを勝利に結びつけられない。

このもどかしさを、次戦こそは払拭してもらいたい。

個の力だけでなく、チームとしての総合力で勝利を掴む姿を期待したい。


ご拝読いただきありがとうございました。

また次でお会いしましょう。

2025/07/08 【巨人 5x-4 中日】劇的サヨナラ勝ちの裏に潜む課題。9回の粘りは見事も、中継ぎ陣の乱調は看過できず

まさに死闘であった。

地方球場・山形での一戦は、最終回に試合が大きく動く乱戦の末、

丸の劇的なサヨナラ打で巨人が勝利を収めた。

この結末にファンが熱狂したのは当然だ。


しかし、この勝利を手放しで喜んで良いのだろうか。

9回の粘りは見事だったが、そこに至るまでの試合運び、

特に中継ぎ陣の体たらくは看過できるレベルではない。

劇的勝利の裏に潜む課題を、冷静にデータで紐解いていく。


【今日の試合サマリー(データBOX)】

a. 打者全体の打撃成績


・打率 .282(32-9) 四死球 3


b. 打者個人の打撃成績


| 選手名 | 打数 | 安打 | 四死球 |

| :--- | :--- | :--- | :--- |

| 丸 佳浩 | 4 | 1 | 1 |

| オコエ 瑠偉 | 4 | 0 | 0 |

| 吉川 尚輝 | 4 | 1 | 0 |

| 増田 陸 | 4 | 0 | 0 |

| 坂本 勇人| 3 | 1 | 1 |

| 泉口 友汰 | 2 | 1 | 1 |

| キャベッジ | 2 | 0 | 0 |

| 岸田 行倫 | 4 | 3 | 0 |

| 西舘 勇陽 | 0 | 0 | 0 |

| 荒巻 悠 | 1 | 0 | 0 |

| リチャード | 1 | 0 | 0 |

| 佐々木 俊輔 | 1 | 1 | 0 |

| 中山 礼都 | 1 | 1 | 0 |


c. 投手全体の投球成績

・投球回 9.0回

・投球数 166球

・被安打 8

・失点 4


d. 投手個人の投球成績

西舘 勇陽(5.0回 80球 2失点)

 球種割合:
 ストレート:51.3% (平均 148.4km/h)
 スライダー:22.5% (平均 130.6km/h)
 カーブ:15.0% (平均 120.4km/h)
 カットボール:7.5% (平均 140.8km/h)
 フォーク:2.5% (平均 137.0km/h)
 スプリット:1.3% (平均 139.0km/h)


 コース割合(対右打者):
 高さ:高め(13.5%), 低め(48.6%), 真ん中(37.8%)
 内外:内角(40.5%), 外角(37.8%), 真ん中(21.6%)
 ストライクボール:ストライク(51.4%), ボール(48.6%)


 コース割合(対左打者):
 高さ:高め(9.3%), 低め(48.8%), 真ん中(41.9%)
 内外:内角(39.5%), 外角(34.9%), 真ん中(25.6%)
 ストライクボール:ストライク(58.1%), ボール(41.9%)


石川 達也(1.0回 21球 0失点)

 球種割合:
 ストレート:61.9% (平均 143.4km/h)
 カットボール:23.8% (平均 128.0km/h)
 チェンジアップ:9.5% (平均 115.5km/h)
 スクリュー:4.8% (平均 136.0km/h)


 コース割合(対右打者): 高さ:高め(0.0%), 低め(50.0%), 真ん中(50.0%)
 内外:内角(25.0%), 外角(50.0%), 真ん中(25.0%)
 ストライクボール:ストライク(25.0%), ボール(75.0%)


 コース割合(対左打者): 高さ:高め(11.8%), 低め(41.2%), 真ん中(47.1%)
 内外:内角(17.6%), 外角(52.9%), 真ん中(29.4%)
 ストライクボール:ストライク(47.1%), ボール(52.9%)


船迫 大雅(1.0回 12球 0失点)

 球種割合:
 スライダー:41.7% (平均 131.2km/h)
 カットボール:25.0% (平均 137.0km/h)
 シュート:16.7% (平均 145.0km/h)
 ストレート:8.3% (平均 145.0km/h)
 カーブ:8.3% (平均 112.0km/h)


 コース割合(対右打者):

 高さ:高め(0.0%), 低め(50.0%), 真ん中(50.0%)

 内外:内角(75.0%), 外角(0.0%), 真ん中(25.0%)

 ストライクボール:ストライク(75.0%), ボール(25.0%)


 コース割合(対左打者):

 高さ:高め(12.5%), 低め(50.0%), 真ん中(37.5%)

 内外:内角(50.0%), 外角(25.0%), 真ん中(25.0%)

 ストライクボール:ストライク(37.5%), ボール(62.5%)


中川 皓太(1.0回 23球 1失点)

 球種割合:
 ストレート:47.8% (平均 145.5km/h)
 スライダー:39.1% (平均 127.8km/h)
 シュート:13.0% (平均 144.0km/h)


 コース割合(対右打者):

 高さ:高め(0.0%), 低め(62.5%), 真ん中(37.5%)

 内外:内角(25.0%), 外角(37.5%), 真ん中(37.5%)

 ストライクボール:ストライク(37.5%), ボール(62.5%)


 コース割合(対左打者):

 高さ:高め(6.7%), 低め(46.7%), 真ん中(46.7%)

 内外:内角(26.7%), 外角(46.7%), 真ん中(26.7%)

 ストライクボール:ストライク(46.7%), ボール(53.3%)


バルドナード(1.0回 30球 1失点)

 球種割合:
 ストレート:76.7% (平均 151.1km/h)
 スライダー:13.3% (平均 131.0km/h)
 チェンジアップ:6.7% (平均 133.5km/h)
 ツーシーム:3.3% (平均 149.0km/h)


 コース割合(対右打者):

 高さ:高め(0.0%), 低め(64.7%), 真ん中(35.3%)

 内外:内角(29.4%), 外角(47.1%), 真ん中(23.5%)

 ストライクボール:ストライク(41.2%), ボール(58.8%)


 コース割合(対左打者):

 高さ:高め(7.7%), 低め(38.5%), 真ん中(53.8%)

 内外:内角(7.7%), 外角(69.2%), 真ん中(23.1%)

 ストライクボール:ストライク(30.8%), ボール(69.2%)


e. 相手投手の投球成績


金丸 夢斗(7.0回 107球 3失点)

 球種割合:
 ストレート:43.9% (平均 148.6km/h)
 カットボール:20.6% (平均 134.9km/h)
 スプリット:14.0% (平均 135.8km/h)
 スライダー:11.2% (平均 128.6km/h)
 チェンジアップ:5.6% (平均 124.2km/h)
 カーブ:4.7% (平均 118.2km/h)


 コース割合(対右打者):

 高さ:高め(13.5%), 低め(46.2%), 真ん中(40.4%)

 内外:内角(40.4%), 外角(38.5%), 真ん中(21.2%)

 ストライクボール:ストライク(51.9%), ボール(48.1%)


 コース割合(対左打者):

 高さ:高め(14.8%), 低め(35.2%), 真ん中(50.0%)

 内外:内角(35.2%), 外角(40.7%), 真ん中(24.1%)

 ストライクボール:ストライク(53.7%), ボール(46.3%)



藤嶋 健人(1.0回 10球 0失点)

 球種割合:
 スライダー:50.0% (平均 128.8km/h)
 ストレート:50.0% (平均 144.0km/h)


 コース割合(対右打者):

 高さ:高め(28.6%), 低め(28.6%), 真ん中(42.9%)

 内外:内角(28.6%), 外角(42.9%), 真ん中(28.6%)

 ストライクボール:ストライク(42.9%), ボール(57.1%)


 コース割合(対左打者):

 高さ:高め(0.0%), 低め(33.3%), 真ん中(66.7%)

 内外:内角(33.3%), 外角(66.7%), 真ん中(0.0%)

 ストライクボール:ストライク(0.0%), ボール(100.0%)



清水 達也(0.1回 15球 2失点)

 球種割合:
 ストレート:53.3% (平均 148.9km/h)
 フォーク:33.3% (平均 137.3km/h)
 カーブ:6.7% (平均 121.0km/h)


 コース割合(対右打者):

 高さ:高め(0.0%), 低め(33.3%), 真ん中(66.7%)

 内外:内角(33.3%), 外角(33.3%), 真ん中(33.3%)

 ストライクボール:ストライク(66.7%), ボール(33.3%)


 コース割合(対左打者):

 高さ:高め(8.3%), 低め(50.0%), 真ん中(41.7%)

 内外:内角(50.0%), 外角(33.3%), 真ん中(16.7%)

 ストライクボール:ストライク(50.0%), ボール(50.0%)


【両先発の配球戦略分析】


▼巨人の投球分析

先発の西舘は5回2失点。

試合を作ったとは言えるが、ドラフト1位の器としては物足りなさが残る。

被本塁打2はいずれも甘く入った球であり、痛打されるべくしてされたものだ。


特筆すべきは、二軍で有効だったフォーク系の球種(フォーク、スプリット)が

全80球中わずか3球(3.8%)だった点。

一軍の打者相手に、自身の決め球を投げきれない現状は、

首脳陣の指導方針も含めて疑問符が付く。


そして問題はリリーフ陣だ。

8回に登板した中川は上林に勝ち越し弾を浴び、

9回のバルドナードに至っては3四球と論外の内容。

特にバルドナードは、ストレートの球威に頼るだけで制球が全く伴わず、

自ら失点し試合を壊しかけている。勝ちパターンの再編は急務と言わざるを得ない。



▼中日の投球分析

中日の先発・金丸は、最速152km/hのストレートと多彩な変化球で巨人打線に的を絞らせなかった。

巨人は7回に泉口の本塁打で1点を返したが、全体としては金丸の術中にはまった形だ。


しかし、9回に登板した清水は明らかに巨人打線の勢いに呑まれていた。

1死から4連打を浴びてのサヨナラ負け。

特に丸に投じた最後のカーブはど真ん中への失投であり、

百戦錬磨のベテランが見逃すはずもなかった。


【流れの分岐点について】

この試合、最大の分岐点は言うまでもなく9回裏の攻防だが、

そこに至るまでの伏線と課題を整理する。


助っ人の貢献度と守備の問題:

4回、満塁の好機でキャベッジが放ったのは犠牲フライ。

2球連続でど真ん中のストレートを仕留めきれず、最低限の1点に終わったのは物足りない。

打撃で圧倒的な存在感を示せていない以上、

1回のファンブルに代表される守備の不安を考慮すれば、

佐々木や中山といった若手にスタメンの機会を与えるべきではないか。


勝ちパターンの崩壊:

8回、9回の中川、バルドナードの連続失点はチームにとって深刻な問題である。

特にバルドナードは、無死から四球を連発し、全く試合になっていなかった。

結果的に後続が抑え、サヨナラ勝ちに繋がったから良かったものの、

一歩間違えれば大量失点で勝機を失うところであった。


この不安定さでは、僅差の試合を任せることはできない。


9回裏、土壇場での集中力:

これまでの鬱憤を晴らすかのような9回の攻撃は見事であった。

1死から代打佐々木がヒットで口火を切り、岸田がコンパクトな右打ちで繋ぐ。


そして中山だ。

1点ビハインドの状況で、初球のフォークを完璧に捉え1点差に迫るタイムリー。

この一打がなければ丸のサヨナラ劇はなかった。

ヒーローインタビューで丸が語った通り、この試合の最大の立役者の一人である。


は言わずもがな、相手の失投を見事に右中間へ運ぶ。

さすがベテランといったところか。


【次戦への展望】

劇的なサヨナラ勝ち。しかし、手放しでは喜べない。

この勝利は、あくまで個の力、土壇場での奇跡的な集中力によってもたらされたものであり、チームとしての完成度とは程遠い。


中継ぎ、特に勝ちパターンの再建は待ったなしの課題だ

現状の中川、バルドナードに8回、9回を任せるのはリスクが高すぎる。

新たな方程式を模索するか、あるいは現有戦力の状態をもう一度見極める必要がある。


また、野手陣も安泰ではない。

特に外国人選手(キャベッジ)の費用対効果は常に問われるべきだ。

今日の代打陣の活躍を見るに、より状態の良い選手を積極的に起用する柔軟な采配が求められる。


勝ったからこそ、課題から目を背けてはならない。

今日の勝利が、リリーフ陣の乱調という根本的な問題を覆い隠すことがないよう、

首脳陣には冷静な分析と次戦への修正を期待したい。


このような勝ち方ではなく、圧倒して勝つ姿を見せてこそ、

ファンの不安は払拭されるだろう。



ご拝読いただきありがとうございました。

また次でお会いしましょう。

2025/07/06 【巨人 2-3 広島】またしても赤星の好投を無に… 9回の自滅で逆転負け。繰り返される悪夢

またしても、だ。

先発・赤星が8回途中1失点と試合を支配しながら、9回に登板した守護神代理・大勢が炎上。

悪夢のような逆転負けを喫した。この敗戦は、単なる1敗ではない。

好投手を援護できない打線の決定力不足と、

クローザーの絶対的な信頼性の欠如という、

チームが抱える根深い問題を改めて浮き彫りにした。

データと事実を基に、この敗戦を徹底的に分析する。


【今日の試合サマリー(データBOX)】

a. 打者全体の打撃成績


・打率 .273(33-9) 四死球 1


b. 打者個人の打撃成績


| 選手名 | 打数 | 安打 | 四死球 |

| :--- | :--- | :--- | :--- |

| 丸 佳浩 | 4 | 1 | 0 |

| オコエ 瑠偉 | 3 | 2 | 0 |

| 泉口 友汰 | 3 | 0 | 1 |

| 吉川 尚輝  | 4 | 1 | 0 |

| 増田 陸 | 4 | 1 | 0 |

| 坂本 勇人| 4 | 1 | 0 |

| キャベッジ | 4 | 0 | 0 |

| 小林 誠司| 3 | 1 | 0 |

| 赤星 優志 | 1 | 1 | 0 |

| 佐々木 俊輔 | 1 | 1 | 0 |

| 甲斐 拓也 | 1 | 0 | 0 |

| 中山 礼都 | 1 | 0 | 0 |


c. 投手全体の投球成績

・投球回 9回
・投球数 139球
・被安打 6
・失点 3


d. 投手個人の投球成績


赤星 優志(7.2回 105球 1失点)

 球種割合:
 ストレート:49.1% (平均 146.4km/h)
 フォーク:25.5% (平均 134.7km/h)
 カットボール:18.9% (平均 131.2km/h)
 カーブ:6.6% (平均 120.6km/h)


 コース割合(対右打者):
 高さ:高め(9.3%), 低め(53.7%), 真ん中(37.0%)
 内外:内角(38.9%), 外角(38.9%), 真ん中(22.2%)
 ストライクボール:ストライク(53.7%), ボール(46.3%)


 コース割合(対左打者):
 高さ:高め(5.8%), 低め(53.8%), 真ん中(40.4%)
 内外:内角(46.2%), 外角(32.7%), 真ん中(21.2%)
 ストライクボール:ストライク(50.0%), ボール(50.0%)


中川 皓太(0.1回 1球 0失点)

 球種割合:
 ストレート:100.0% (平均 147.0km/h)


 コース割合(対左打者):
 高さ:高め(0.0%), 低め(0.0%), 真ん中(100.0%)
 内外:内角(0.0%), 外角(100.0%), 真ん中(0.0%)
 ストライクボール:ストライク(0.0%), ボール(100.0%)


大勢(0.1回 22球 2失点)

 球種割合:
 ストレート:81.8% (平均 153.2km/h)
 フォーク:18.2% (平均 137.0km/h)


 コース割合(対右打者):
 高さ:高め(18.2%), 低め(36.4%), 真ん中(45.5%)
 内外:内角(27.3%), 外角(27.3%), 真ん中(45.5%)
 ストライクボール:ストライク(45.5%), ボール(54.5%)


 コース割合(対左打者):
 高さ:高め(0.0%), 低め(63.6%), 真ん中(36.4%)
 内外:内角(27.3%), 外角(54.5%), 真ん中(18.2%)
 ストライクボール:ストライク(27.3%), ボール(72.7%)


船迫 大雅(0.2回 11球 0失点)

 球種割合:
 スライダー:72.7% (平均 132.0km/h)
 ストレート:27.3% (平均 145.3km/h)


 コース割合(対右打者):
 高さ:高め(0.0%), 低め(62.5%), 真ん中(37.5%)
 内外:内角(50.0%), 外角(25.0%), 真ん中(25.0%)
 ストライクボール:ストライク(62.5%), ボール(37.5%)


 コース割合(対左打者):
 高さ:高め(0.0%), 低め(33.3%), 真ん中(66.7%)
 内外:内角(33.3%), 外角(33.3%), 真ん中(33.3%)
 ストライクボール:ストライク(33.3%), ボール(66.7%)


e. 相手投手の投球成績


(※文章量が多くなるため、本稿では先発の佐藤投手、

  得点した8回に登板した森浦投手のデータを抜粋する)


佐藤 柳之介(5.0回 83球 1失点)

 球種割合:
 ストレート:45.8% (平均 141.4km/h)
 カットボール:26.5% (平均 130.8km/h)
 その他:27.7%


 コース割合(対右打者):

 高さ:高め(13.5%), 低め(48.6%), 真ん中(37.8%)

 内外:内角(46.0%), 外角(35.1%), 真ん中(18.9%)

 ストライクボール:ストライク(54.1%), ボール(45.9%)


 コース割合(対左打者):

 高さ:高め(15.2%), 低め(47.8%), 真ん中(37.0%)

 内外:内角(23.9%), 外角(52.2%), 真ん中(23.9%)

 ストライクボール:ストライク(41.3%), ボール(58.7%)


森浦 大輔(1.0回 20球 1失点)

 球種割合:
 ストレート:75.0% (平均 148.1km/h)
 チェンジアップ:25.0% (平均 135.0km/h)


 コース割合(対右打者):

 高さ:高め(14.3%), 低め(71.4%), 真ん中(14.3%)

 内外:内角(42.9%), 外角(42.9%), 真ん中(14.3%)

 ストライクボール:ストライク(28.6%), ボール(71.4%)


 コース割合(対左打者):

 高さ:高め(7.7%), 低め(53.8%), 真ん中(38.5%)

 内外:内角(38.5%), 外角(46.2%), 真ん中(15.4%)

 ストライクボール:ストライク(46.2%), ボール(53.8%)


【両先発の配球戦略分析】


▼巨人の投球分析

赤星は8回途中まで1失点。

中村奨に浴びた一発は失投であり、唯一悔やまれる球だが、

それ以外は支配的な投球を続けた。


ストレートを軸に低め(対右53.7%, 対左53.8%)を丁寧に突き、試合を作った。

この快投を演じた投手に、なぜ勝利が付かないのか。答えは明白である。


9回に登板した
大勢
。この日の投球は「守護神」の名に値しない。

先頭打者ファビアンに投じた7球のうち、ボールゾーンは4球。

甘く入った外角高めのストレートを運ばれ、安打を許した。


そして、この試合の敗戦を決定づけたのが、続くモンテロへの死球だ。

0-1からの2球目、内角低め(コース5)を狙ったフォークはすっぽ抜け、無用な走者を与えた。

自ら招いた満塁のピンチで、菊池に投じた決勝打はど真ん中への153km/hストレート

技術、制球、精神力、その全てにおいてクローザーのレベルになかった。


▼広島の投球分析

広島先発の佐藤は、ストレート(45.8%)カットボール(26.5%)でゴロを打たせる投球に徹した。

巨人打線は5回に下位打線の連打で1点を返したが、

決定打を欠き、常に主導権を握られたまま試合を進められた。


特に勝負どころでの脆さが目立つ。8回、代わった
森浦
を攻め、1死満塁の絶好機を作った。しかし、ここで吉川が低めのチェンジアップに空振り三振。

続く増田陸のタイムリーは出たものの、ボテボテの内野安打であり、

相手を追い詰める一打とはならなかった。



【流れの分岐点について】

この試合、敗因は9回の大勢に集約されるが、そこに至るまでの伏線はいくつも存在した。


あと一本が出ない拙攻の連続:

3回2死二、三塁の場面。ここで泉口は、3-2から外角のボール球に手を出して三振。

ここでの一本があれば、試合展開は全く違うものになっていた。


5回もオコエのタイムリーで1点を返したのは見事だが、そのタイムリーのみ。

8回も1死満塁から1点止まり。

9安打を放ちながら2得点という結果が、攻撃陣の決定力不足を如実に物語っている。


9回の絶望的な攻撃と守備:

9回表。前述の通り、大勢が自滅。

ヒットと死球でピンチを招き、最後は甘い球を痛打される。

これは単なる打たれた・抑えたの世界ではない。

試合を締めくくるべき投手が、自ら試合を破壊したのだ。


9回裏、広島の守護神ハーンに対し、

先頭のキャベッジは154km/hの速球に全く手が出ず見逃し三振。

この日の4打数無安打、2三振という内容は、

スタメンとしての役割を果たしたとは到底言えない。

後続の甲斐、中山もあの雰囲気でヒットを打てというには無理がある。

少なくともキャベッジが出塁できていれば展開はまた変わったかもしれない。

代打でしか結果を残せないのなら、それまでの選手という事であろう。


【次戦への展望】

今日の敗戦から得るべき教訓は何か。それは、個の力に依存する野球の限界である。


打線の繋がりと勝負強さの欠如

赤星が好投している間に、いかに効率よく得点を奪うか。

チャンスで凡退を繰り返す現状では、投手は常に見殺しにされる。

特に中軸を打つ打者の奮起が不可欠だ。


赤星の力投を、チームの勝利に繋げられない。

この事実をベンチ、そして選手一人ひとりがどう受け止めるのか。

根本的な課題から目を背けず、チーム一丸となって改善に取り組む以外に、

浮上の道はない。


ご拝読いただきありがとうございました。

土日かなり立て込んでしまい、記事を上げられず申し訳ございませんでした。


また次でお会いしましょう。